不思議な馬油の特徴と一般的な用い方
不思議な馬油の特徴
昔から馬油は、火傷、肌荒れ、ひび、あけぎれ、切り傷、痔などによく使われています。
また食用にも使えるように副作用がないと言われ医師の処方がなくても用いられてきました。
この馬油の特徴を一言で言えば
人間にとって最も優れたスキンケア成分である皮脂(角質層の細胞間脂質)にもっとも近い成分の自然な油脂であることです。
肌の細胞間にある脂質の主成分はセラミドで肌のキメを整え、潤いを保ち、外部からのあらゆる刺激から肌の内部の組織を守る大切な役割を果たしています。
馬油はお肌との相性が非常に良く、馬セラミドが肌の角質層まで浸透し不足する脂質を補いお肌を健やかに保ちます。
では馬油だけが持つ不思議な特徴を上げてみます。
1.強力な浸透力
馬油自体は非常にべっとりとした物ですが、肌に塗るとすぐにさらさらになってしまいます。これは馬油の強力な浸透力のせいです。
馬油が皮膚の隙間に浸透して細胞間に皮脂が満たされている潤った状態と同じ状態になります。理由は馬油が人間の皮脂に非常に近い性質を持っているからです。
しかし、浸透力が強いといっても、鉱物油などと違い皮下組織にまでは浸透しません。
2.酸化を防ぎ、細菌を囲い込む
馬油は素早く広がり表面に油膜を張って外部と遮断すると共に、浸透することによって内部の空気を追い出し酸化を防ぐ作用が生まれます。この状態では細菌は皮膚に入り込めませんし中に入った細菌も囲い込んでしまいます。
3.炎症で荒れた肌の水分と油分を保つ
馬油が最も広く用いられてきた理由は火傷の対処法として注目されたからです。火傷でダメージを受けた肌は皮脂を補うことができず、水分が抜けて乾燥します。そのため浸透がよく油分を補える馬油が選ばれてきました。
4.優れた保湿作用
馬油はとてもよく広がります。マッチ棒の先ほどの量で片腕分くらいは広がります。非常に広い範囲に素早く膜を作り保湿され、手で広げるようにマッサージをすることで血液の循環効果にもつながります。
5.食べられる
馬肉は完全な自然物で御存知のように”さくら肉”とよばれ食用としても用いられます。当然馬油も食べる事が出来、全く副作用がないといっても過言ではありません。
6.馬油は植物性脂肪と動物性脂肪の中間
一般的に動物性脂肪には飽和脂肪酸が多くコレステロールの増加の原因とされていますが、馬油には不飽和脂肪酸が63%をしめます。(一般に飽和脂肪酸はコレステロールが増大し、不飽和脂肪酸はコレステロールの沈着を防ぎます)これは、魚の肉と動物の肉の中間的な性質とも言えます。
馬油の一般的な用い方の例

※出典「馬の油」の成分に凄い薬効があった ―シミ・小ジワから慢性病に驚くべき治癒効果 :木下繁太朗著より
馬油は下記のような使われ方が日本だけでなく中国でも昔から行われています。
- 衰えた肌に潤いを与える
- 小じわは手のひらで額からほお、あごにかけてなで下ろす
- 首筋にしわとりは指の腹であごからのどにかけてなで下ろす
- シミは人差し指中指薬指の三本でマッサージの要領ですり込む
- ニキビには洗顔後帰宅後、お風呂上がりにすり込む
- 日焼けしたときは身体を冷やしてから塗る
- 冷え性には、入浴後背骨の下にすり込む
- 頭の地肌にすり込むと、緑の黒髪にかわる
- 抜け毛を防ぐには、指先を一ヶ所にとめ、地肌を動かす要領で
- 便秘にはおへその両側と、手首に塗る
- やけどの痛みをとり、跡も残さない効きめ
- 皮膚のかゆみや化膿をおさえ早期治癒が出来る
- アトピー性皮膚炎には、こすりつけずにそっとのばす感じで
- ひび、あかぎれには昔から効果抜群だった
- しもやけには、患部にこするようにしてよくすり込む
- くちびるの荒れには、馬の油を小指の先に少しとり薄く塗るだけ
- 水虫には足を洗って皮膚が柔らかくなったところにたっぷりすり込む
※火傷は軽傷のものに限ります。※馬油はあくまでも民間治療薬として用いられるものです。通院されている場合は、信頼できるお医者様に相談の上用いましょう。